山形の木の家専門家、美・中川工務店です。

暮らしのデザインシリーズvol.11です。

今回からいくつか家づくりのトレンドについてお話したいと思います。

まずは一回目【家具のようなキッチン】です。

 

キッチンがダイニングやリビングとひとつづきとなった住まいが主流となりました。

 

家の中で〈台所〉というスペースがはっきりと区切られ女性ばかりが出入りするという風景はすでに過去のものとなりました。

”キッチンのオープン化”増えた背景には共働き世帯の増加も一因です。

 

家で少しでも多く家族との時間を過ごしたいと思う方々の願いが形となりました。

いかにも開放的なアイランド型キッチンに限らず、調理台やコンロ、シンクなどを一列に配置した壁付けのI型キッチン(写真)でも、ダイニングやリビングとの仕切りをなくして一体的な空間をつくる。

 

そうすると調理や後片付けをする人が孤立せず、家族も手伝いやすくなるでしょう。

 

 

キッチンを「単なる作業の場ではなく、集う場、コミュニケーションの場にしたい」としてリビングとの一体化を目指し、キッチンを家具として見せるようなデザインが多く提案されています。

 

リビングというくつろぎの空間に馴染ませるために、まず工夫されたのが素材です。カウンタートップ(天板)にはセラミックを使われることが増えました。

 

 

”旬”のキッチンを発表するイタリアやドイツの見本市では、扉にもセラミックを採用してキッチンをひとつのオブジェのように見せるメーカーや、石調の天板にナチュラルな木扉を組み合わせるメーカーも。

どちらもインテリアとの馴染みの良さを意識しています。

 

キッチンの「家具化」の流れには、空間を用途で区切るのではなく、まるごとの居住空間として、そこで過ごす時間をより豊かにしたいという人々の思いが表れています。

 

キッチンを選ぶポイントは機能だけに留まらなくなってきましたね。